インドネシア紀行(8)タマン・サリと必ずついてくるガイドのおじさん

新学期が始まったというのに、なかなか終わらない春休みブログ。3月15日(土)分です。

この日は15:05の飛行機でジャカルタへ移動の予定。ホテルのチェックアウトは12:00~13:00となっていて、どっちなんだ?と思いましたが、慌てなくてよいよう、出かける前にチェックアウトを済ませておくことにしました。が、その前に、ガルーダ・インドネシア航空のリコンファームです。行きの便のように、知らぬ間にキャンセルとかは嫌だ。「歩き方」には、コンシェルジュに依頼すればやってもらえる、と書いてあったので、ホテルのロビーのベルボーイカウンターでまず聞いてみました。と、2階のビジネスセンターでやってるというので、2Fへ。ビジネスセンターのおじさんにE-チケットを見せて、お願いすると、電話代がかかるよ、と言われましたがOKして電話して貰いました。インドネシア語でだいぶ長いこと、ガルーダインドネシア航空とやりとりしてくれ、リコンファーム出来た、とのことです。チップ払わないといけないかな・・・とも思ったのですが、言われた電話料金に相当する紙幣がどれか分からず、あれこれ財布から引張りだすうちに、チップは渡しそびれました。

荷物をまとめてチェックアウトし、ベルボーイカウンターで荷物を預かってもらい、「メータータクシー」と指定してタクシーを呼んで(じゃなくて玄関先に停まってるタクシーの中から普通の(高級なヤツじゃないの)タクシーを選んで)貰いました(少し知恵がついたw)。

この、ジョグジャカルタ最後の日のメインは、前日、中までは入れなかったフレデブルク要塞博物館なのですが、時間節約のためにタクシーで行くなら、最初に遠い場所へ行くべき、の結論から、まずタマン・サリ(水の離宮)へ行くことにしました。スルタンが美女を選ぶためのプールなんて、興味津々ではありませんか!

前日の夕暮れ、この荒涼とした広場は何だ?と思った王宮北広場には、一面に市が立っていました。なんだ、そういうことだったのか。そして、タクシーはタマン・サリに到着。歩けばホテルからは相当の距離があることが分かりました。

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なかなかおしゃれな建物です。ごく安い入館料を払ったと思うのですが、手元にはなぜかチケットらしきものは残っていません。チケットはなかったのかな、記憶がない。そして、案の上、ごく自然な感じでおじさんが日本から来たのか?とか、英語は分かるか?とか話し掛けてきました。ああ、これが「歩き方」に書いてあるヤツだな、とここは素直に観念。今回は行けませんでしたが、クラトン(王宮)でも、ガイドがもれなく付いてくるようなので、もうこれは、”高い入館料で自動的に付いて来る「オーディオガイド」”みたいなものと割り切るしかないのでは? もっとも、タマン・サリの場合、(安い)入館料のみで逃げ切るのは不可能に近いでしょう。ここは、おじさんとの会話を楽しむしかない。

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階段を降りると、プールが見えてきました。おじさんの話だと、王様(スルタンですね)には奥さんが26人(数字は正確には私が覚えていないのですが、20人台)いて、奥さんたちをここで泳がせます。<とにかく暑いから、水に入らないとやってられませんよね(私の心の声)>

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「王様はあの塔の上から花を投げます。奥さんたちは泳いで、一番先に花を拾った人が王様のお相手をします」「えーっ、きれいな人を選ぶんじゃないんですか?」「はい」<意外にも体力勝負だったんだ。筋力を見ていたのか・・・>

「奥さんって、何歳くらいだったんですか?」「17、18、19歳」<へえー>

「ヌードで?」<大丈夫か?こんな質問して>「いやいや、服は着てましたよ、ああいう布巻いて」

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結婚式の記念撮影をしてるカップルがいました。暑そう。

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「日本語お上手ですね。どこで習ったんですか。」おじさんの答えははっきり覚えていないのですが、日本には行ったことがなく、インドネシアで習ったという話だったと思います。「いやいや、まだまだ」と謙遜されていましたが、日本語・英語を駆使というか織り交ぜつつ、こちらがちょっと怪しいおばさんであるにもかかわらず、終始紳士的な対応です。

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塔の内部を案内してくれます。ここは、奥さんたちが使った部屋だったかな。丁寧に説明してくれたのですが、半月以上経つと、すでに細かい説明は忘れてしまっています。文字で読める説明は何もないのです。奥の棚は、衣類を入れるスペースと記憶しています。26人も奥さんがいると、とてもこれだけでは足りないと思って聞いたら、往時はもっと広い範囲に奥さんたちが住む複数の建物があったとの説明でした。

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これが確か、王様のベッド。

この後、台所等のスペースに案内してくれるのですが、途中、こんなショップ街を通ります。もとは離宮の敷地内だった所に、現在は、家が建っているとか。

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風情ある一角なのですが、あーこれは帰りにお土産買わされるなーと。そうなると、どうやって断るか、みたいな方に思考がシフトして、おじさんとの会話も上の空になりがち。が、ここは気づかぬふり。

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前後関係が定かでなくなっていますが、これは、奥さんのベッドだったかな。奥さん2人分だそうです。<ライバル同士が一緒に寝るのか?いや、当時、ライバルという意識があったのかは不明> 王様の息子(王子様ですね)もここにいたらしく、王子さまのベッドだったかもしれません。あれこれ聞いて、写真と話が混乱。

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台所だったかな?

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確か、王様のトイレだったかと。(下を)水が流れる水洗トイレだったようです。

そしていよいよ、ワヤン・クリッの人形を制作している工房に案内されます。写真は自由に撮っていいって。

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わーきれいですねー、とか、昨日の晩、ソノブドヨで見て来ましたよーとか、ここは無邪気に会話を続ける。

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工房の売り手は、「歩き方」のこのページに出ている手は私の手です、とか熱心にアピール。「でも、お土産は買わないと決めてるんです、荷物になるから」「じゃあ、小さいのもありますよ」「ノー、サンキュー」。やっと、この実演販売のお店を抜け出すと、今度は、ガイドのおじさんが、自分の母親がやってる店だ、と言って、バティック?の店に連れていきます。布というより、絵が多い感じで、これはワヤン・クリッ人形以上に、買わない対象。というか、時間が気になります。いらない、いらないを連呼して、最後は、ガイドのおじさん自身が描いたというギフトカードとかを勧められます。

「これなら荷物にならないでしょう」「へえ、絵お上手ですねー。でも、お土産は買わないと決めているんです」<私の勝ち>

こんな感じで、おじさんには気の毒でしたが、こういうの、却って逆効果なんですよね。普通にお店やってたら、じっくりお気に入りの一点くらいは探したでしょうに。

でも、最後に、出口まで気持ちよく送って来てくれたおじさんに、 It's for you.と言って、チップを渡しました。20,000ルピアだったかな。これは熱心に案内してくれたおじさんへの心からのお礼です。おじさんはちょっと驚いたような、嬉しそうな顔をしてくれました。インドネシアの人は、本当にたくましい。生活のためには、日本語だって英語だって学習しちゃう!そして、即、実践。

出口のところで、ベチャを拾って、フレデブルク要塞博物館に向かいます。ベチャから見る町の様子は、視点が変わってこれまた魅力的です。

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道々、民族学の博物館で展示物を収集する先生方は、どこで買ってくるのかなーとか考えました。比較的手軽に、世界のあちこちに普通の旅行者が行けるようになって、リアルタイムでブログに写真とかアップする時代になると、遠い世界の珍しい展示物と思って見ていたものが、また違う関心をそそるものとなってきます。以下、続く。